機構の役員は六人おり、二人は経済産業省の出身者、四人は東京電力、関西電力、中部電力、日本原子力研究開発機構の出身者で構成。理事長ポストは
東電OB、副理事長は経産省で固定化している。二〇一一年度の役員報酬は、六人計一億三千万円で、平均すると一人当たり約二千百七十万円となる。この水準
は〇〇年の設立当初から続いており、東京電力福島第一原発事故が起きた現在も変わっていない。
機構は、二十五年後の三七年をめどに最終処分場を稼働させる予定にしているが、地層の詳細調査から完成まで三十年ほどかかる。だが、候補地すら決められていない。
その点では機構の実績はゼロに等しいとも言え、消費者が支払った電気料金が高額報酬に流れ続けていることには問題がある。機構の広報担当者は「最終処分事業を推進する唯一の実施主体の役員報酬として相応の水準」と強調している。
機構はこれまでの十二年間に計四百九十一億円を事業費として費やしてきた。電気料金の明細書に記載がないため、気づかないが、消費者は知らないう ちに月約二十円(東電管内の一般的な家庭の場合)を負担している。その使い方をめぐっては、役員報酬の問題のほか、人件費やテレビCMなどの広報費に偏り すぎている問題点もある。
機構はこれまでの十二年間に計四百九十一億円を事業費として費やしてきた。電気料金の明細書に記載がないため、気づかないが、消費者は知らないう ちに月約二十円(東電管内の一般的な家庭の場合)を負担している。その使い方をめぐっては、役員報酬の問題のほか、人件費やテレビCMなどの広報費に偏り すぎている問題点もある。
残る技術開発費をめぐっても、今年六月の経産省による「行政事業レビュー」で、最終処分の技術開発では機構と政府の事業が重複しているとの指摘も
あった。政府の側の財源も、電源開発促進税という名目で電気料金から徴収されており、消費者は二重の負担を強いられてきた形だ。