政府の要請で運転停止中の中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)の再稼働の是非を問う住民投票条例案が11日、同県議会で採決され、原案など2案はいずれ
も反対多数で否決された。東京電力福島第1原発事故後、原発再稼働の是非を問う住民投票条例案が否決されたのは、大阪市議会と東京都議会に続き3例目。
【原発の呪縛・日本よ!】静岡県知事・川勝平太さん
原案は投票実施時期を条例施行後半年以内、投票資格を18歳以上などと定め、市民団体「原発県民投票静岡」(鈴木望代表)が約16万5000人の賛同署
名を集めて直接請求していたが、全会一致で否決された。投票実施時期を「国が再稼働検討時」に変え、投票資格を20歳以上などとする議員提案の修正案も反
対48、賛成17で否決された。
川勝平太知事は直接請求を受けた首長として初めて「多くの県民の思いの表れ」と賛成の意見を付け県議会に提案したが、過半数を占める自民改革会議が、市
町に投票事務を義務づけるなど法的不備がある▽住民投票実施に10億円以上の経費がかかる--などを理由に反対に回った。
住民投票条例制定を求める直接請求は、東京電力柏崎刈羽原発を抱える新潟県でも手続きが進んでいる。【樋口淳也】